私の料理でも度々登場する”ピンクヒマラヤ岩塩”ひと匙の塩は、まるで魔法のように料理を変化させてくれます。
私が作る料理には塩とオイルのみのとてもシンプルなレシピが多いのですが、それらは良質な塩やオイルや調味料が大切な鍵となっています。
言い換えれば、良質な魔法の調味料を使えば、誰でも簡単に美味しくて健康的な料理を作ることができるのです(笑)
そんなお気に入りのアイテムをご紹介していきたいと思います。第一回目は”ピンクヒマラヤ岩塩”です。
ヒマラヤ岩塩とは
ヒマラヤ岩塩とは、パキスタン、ネパール、チベット、インド産の岩塩の総称のこと。
そのヒマラヤ岩塩の中でも、唯一の産地であるパキスタン産のピンク色の岩塩が一般的に”ヒマラヤピンク岩塩”と呼ばれ、”ヒマラヤピンクソルト”や単に”ピンクソルト”と呼ばれたりもしています。
ヒマラヤ岩塩は、ヒマラヤ山脈近辺で採取される塩のことをいいます。岩塩自体は世界各国で取ることができますが、ヒマラヤ岩塩は他の岩塩に比べとても貴重なものとして昔から扱われてきました。
ヒマラヤ岩塩の歴史は古く、今から40億年も昔に海水が陸の上で結晶化し、ここからさらに長い年月を経て、今から4億年ほど前に岩塩層としてヒマラヤ山脈で取れるようになりました。
そのため、パキスタン産のヒマラヤピンク岩塩は、純度99%以上でミネラルの種類・含有量ともに非常に優れています。
そのため、インドの聖典アールヴヴェーダの文献の中にも記され、『地球上で最も清潔で、かつ最高品質の塩』と呼ばれているのです。
ヒマラヤ岩塩の成分
ヒマラヤピンクソルトの成分(100gあたり)は以下の通りです。
- 塩化ナトリウム…39.1g
- カルシウム…274mg
- 4マグネシウム…211mg
- 鉄…8.83mg
- マンガン…0.19mg
- 銅…0.02mg
天然岩塩であるピンクソルトは、成分に変動が起きやすいので上記は目安となります。日本で使用されている食塩に比べて、岩塩にはおよそ1.5倍の成分が含まれています。マグネシウム・カルシウム・カリウムが豊富で、ほんの少しなめるだけでも十分な栄養を摂取できます。
ヒマラヤピンク岩塩と食塩の違い
では、ヒマラヤピンク岩塩は一般的な食塩とはどう違うのでしょうか?
最も大きな違いは、栄養(ミネラル)の種類と含有量です。
ヒマラヤピンク岩塩は60種類や84種類とも言われる豊富なミネラルを含み、その含有量も豊富でミネラルバランスも人間の体内のバランスとほとんど同じ。
また、一般的な市販の食塩は製造の過程で多くのミネラルが大量に失われており、そのバランスが塩化ナトリウムに大きく偏っています。(97.5〜99.9%)
※ちなみに、ヒマラヤピンク岩塩のような高品質の未精製塩の塩化ナトリウムの比率は、約87%程度。
また、市販の食塩は製造の過程で漂白されるため、非常に有毒なアルミニウム誘導体が生成されることも知られています。
このように、栄養面で大きく異なることはもちろん、市販の食塩は危険な物質も含まれるため、安全面においても両者には大きな差があると言えます。
ヒマラヤ岩塩の効能
ミネラルバランスが人間の体内と同じということもあり、岩塩はなめるだけで、健康に対するさまざまな良い作用を望めます。
デトックス作用
人間の体内にあるミネラルとほぼ同じバランスを持っているといわれているため、水に溶かして使用すると身体に溜まった毒素を排出できるといわれています。
基礎代謝を促進さ、体内に溜まった毒素を分解する機能を高められます。入浴の際に浴槽に溶かし入れることでもこれらの効果を得られます。あるいは一つまみの塩をお湯に溶かした白湯を飲んでも効果的。
睡眠の質を高める
ナトリウムは良質な睡眠に欠かせない栄養素であり、それらは科学的にも証明されています。
つまり、毎日の食事の中で十分なナトリウムを摂取すれば、睡眠の質を高めることができます。ヒマラヤ岩塩にはナトリウムが豊富に含まれており、1度の食事でしっかりと摂ることが可能です。
消化機能の改善
身体の循環器官の働きを高めるだけでなく、消化器官にも良い影響を与えます。胃や肝臓といった器官に消化液を分泌させることができ、体内のphバランスを整えることができるのです。この作用は、毎日塩を溶かした白湯を1杯だけ飲めば得られます。
血圧を整える
ヒマラヤ岩塩は血圧を正常なバランスに整える効果があります。
一般的に塩といえば高血圧を招く原因という認識がありますが、これは大きな誤解です。
確かに一般的に市販されている食塩は、精製・漂白された結果、そのほとんどが塩化ナトリウムで構成されているため、高血圧を招く原因となります。
しかし、ヒマラヤピンク岩塩のような自然塩は、人間の体液と同じミネラルの数と最適なバランスを保っているため、体がミネラルを分解・吸収する時間がより短くなります。
つまり、高血圧を招くどころか、逆に血圧を正常なバランスに保つ効果に優れているのです。
ヒマラヤ岩塩の使い道
ヒマラヤ岩塩は、料理に使用することはもちろんですが、入浴などさまざまな方法で効果を得られるといわれています。
料理に使って食の質を上げる
ヒマラヤ岩塩は通常の食塩に比べてうまみが強いです。素材の味を引き立て、通常の食塩を使用するよりもまろやかな味になり、少量で満足感の得られる味に仕上げてくれます。
入浴に使用してデトックス効果を得る
抗酸化作用や発汗作用もあるため、入浴剤としてとても注目されています。発汗しやすくなりますので体内の毒素を排出しやすくなります。抗酸化作用は、シミ改善やしわ改善といった美容面の作用にも働きかけてくれます。
ヒマラヤ岩塩で歯磨き
塩を使った歯磨き粉が販売されているように、塩には歯茎を引き締める作用があります。いつも使用する歯磨き粉に塩を振りかけることで、歯槽膿漏などの対策をすることもできます。また、石鹸自体を手作りすることによって、界面活性剤の入っていない安全な歯磨き粉を作ることもできます。
まとめ
呼吸器系の改善、空気の浄化、アレルギーの緩和、睡眠の改善など、実に様々な効果・効能のあるヒマラヤピンク岩塩。
ヒマラヤ岩塩は、古来より秘薬として扱われるほど効果の高さが期待されてきた塩です。一般に販売されているヒマラヤ岩塩はピンク色をしていますが、さらに希少な岩塩は黒い色をしています。ブラックソルトはまたの機会にご紹介させて頂きますね。
塩は一般に悪者扱いを受けがちですが、実際にはご紹介したような優れた効果がある優れた食品です。
岩塩を使用することによって、健康に良い働きをもたらし、食用として摂るだけではなく入浴剤や歯磨き粉などさまざまな用途で利用できます。
何より、ヒマラヤピンク岩塩を料理に上手に活用すれば、素材の味を引き立たせ、より美味しくより健康的な暮らしをサポートしてくれます。
この地球上で最も良質な塩を、毎日の食事や生活に少しずつ取り入れてみましょう。